内省を深め、次なる行動を引き出す
「ネクストキャリアコーチ」

コーチングとは、クライアント（相談者）を支援するための「コンサルテーション（相談）」の一形態であり、課題となっている状況を改善するために、クライアントが自分の内的・外的環境に生じる出来事のプロセスに気づき、それを理解し、それに基づいて行動できるようになることを支援する対話プロセスを意味します。
なぜそうした対話が必要であるかというと、人は自分自身や周囲の環境を客観的に理解し、行動することがしばしば不得手な生き物だからで、コーチという第三者との対話と内省を通じて、自分自身の課題を俯瞰的に捉え、課題解決に向けた一歩を歩み出すことができるようになることができるのです。
コーチングで最もよく活用されるGROWモデルにおいては、クライアントが目標（Goal）を設定し、現状（Reality）をよく理解した上で、行動に向けた選択肢（Options）を洗い出し、行動の意思決定（Will）をする一連の流れを支援するプロセスをたどることになります。

コーチングを通じて皆さんに実践していただきたいことが二点あります。一つはご自身の「アイデンティティ」についての理解を深めていただくこと、もう一つは皆さんを取り囲む現在の環境やこれから進もうと考えている環境への「適応」に向けた戦略について考えていただくこと、この二つです。
これは単に知識を増やすという意味での認知活動ではなく、ご自身の知識や行動についての知識を深めたり、ご自身の置かれた環境について理解を深めるという意味で、ご自身の知識や行動や環境についての内省を深める「メタ認知活動」と呼ばれる知的な作業になります。
世の中で「クリティカルシンキング（批判的思考）」と呼ばれているものも、これと同じメタ認知活動のことを指しているのです。ご自身の「アイデンティティ」理解と「適応」戦略について内省を深めることで、次なる行動に繋がるビジョンが見えて来るでしょう。コーチングの対話は、そうしたメタ認知活動を加速する最適の方法なのです。